カールツァイスのEマウント用レンズ「Touit」に、像面位相差オートフォーカスに対応した、新しいファームウェアがリリースされていました。さっそくファームウェアを更新してみたところ、オートフォーカスが速く、正確に、かつ効率よくなって幸せになれました。
ZEISS Touitは、発売当初から、素晴らしい光学性能を持ちながらAFが遅い、というのがもっぱらの評判でした。実際に使ってみても、AF速度はお世辞にも速いとは言えませんね。「ウィーン、ウィーン、ピピッ」という感じののんびりした動きで、コントラストAF特有のフォーカスが行って戻ってする動きとあいまって、AFの遅さにつながっていました。
ファームウェアの更新により、レンズのバージョンが「Ver. 02」となりました。これで、像面位相差AF、NEXやαで言うところのファストハイブリッドAFに対応します。AF-C時のフォーカスポイントが全域使えるようになり、像面位相差センサーを使った高速かつ正確なオートフォーカスができるようになります。
実際にオートフォーカスを動作させてみたら、「ウィウィ、ピピッ」という感じで、オートフォーカスの速度は少し速くなっていました。状況によってはフォーカスが行って戻ってのコントラストAFっぽい動作が混じるものの、おおむねファストハイブリッドAFらしい、フォーカスが行き過ぎずに気持ちよくすっと合焦します。
無謀にもAF-Cを試してみましたが、ひっきりなしにフォーカスが移動してレンズが悲鳴を上げるようなこともなく、像面位相差センサーが有効活用されているようでした。Touit 1.8/32はフォーカシングが全群繰り出しで、元々のフォーカシング動作は決して速くありませんでしたが、像面位相差センサーによる正確で無駄のないフォーカシングのため、レンズが無理をしている感じがなく、安心して気持ちよく使えます。
なお、ファームウェアの更新は自分で実行できず、ZEISSに送ってファームウェアを更新してもらう必要があります。少し面倒ですが、それだけの価値はありますね。ちなみに、必要な費用は往路の送料のみで、ファームウェア更新に費用はかかりませんでした。必要な手続きは、ファームウェア更新依頼書を記入して、梱包したレンズに同梱して日本のカールツァイスに送るだけ。数日で返送してもらえます。
ファストハイブリッドAFに対応して、さらに使いやすくなったTouit、コンパクトで軽量なボディとあわせて、どんどん活用していこうと思います。