ROLANDからリリースされた、iOS用の音源ソフトウェア「SOUND Canvas for iOS」を購入しました。DTM音源としてデファクトスタンダードの地位にあった、SC-88を忠実に再現した音源モジュールです。
SOUND Canvasシリーズは、1991年にSC-55がリリースされて以来、DTM音源として人気を博してきました。その後1993年にSC-55 mkIIが、そして1994年にはパート数32、同時発音数64、リバーブとコーラスに加えて、ディレイをエフェクトとして備えたSC-88が発売され、その地位を不動のものにします。
当時は通信速度が遅く、現代のようにミックスされた音源を流通させるなど夢のまた夢でした。そこで、MIDIファイルという、音源への命令のみを記録したファイルを媒介にすることで、自主制作した音楽をネットワーク経由で流通させていました。音源への命令を流通させるわけですから、音楽制作者と同じ音源を保有する方が、再現度の高い音楽を楽しめるわけで、どの音源を購入するかは悩ましい問題でした。SOUND Canvasと並んで人気を博していたYAMAHA製の音源と、どちらを買おうか悩んでいたことが、つい最近のことのように思い出されます。
結局、私は1995年に発売された、SC-88の廉価版であるSC-88VLを購入したわけですが、それとほぼ同じ仕様・性能の音源がiPhoneで動作しているのを見ると、感慨深いものがあります。あまりにも感慨深くて、思わず並べて写真を撮影してしまいました。
SOUND Canvasシリーズは、今でも音楽制作に現役で使っている人もいるくらいで、20年近くたった今も色あせない魅力を放っています。for iOSでは、当時と比べて大幅に高性能になった演算能力を活用して、エフェクトがより高性能になるなど、単なる復刻にとどまらない性能向上が実現されています。昔を懐かしむもよし、MIDI音源として活用し音楽制作するもよし、たった2000円で使いでのあるソフトウェアと言えます。今なら期間限定1500円ですし、SOUND Canvasという言葉に聞き覚えのある方は、ぜひとも購入してみるのがおすすめです。
私も、当時の情熱が今あったら、VOCALOIDに歌わせていたりしたんだろうな。せっかく購入した音源なので、久々にDAWとオーディオインタフェースを引っ張り出して、曲作りをしてみようかな。