宮津までふらっと日帰りライドに行ってきました。
宮津と言えば日本三景の一つ「天橋立」を擁する街です。都道府県としては京都府になるものの京都市からは遠く、兵庫県のほうが近いくらいです。実は天橋立には行ったことがなく、いつか行きたいと思っていました。いつかと言っているといつまでも行けないので、思い切って行ってみました。「今やらなければ、一生できないことがある」ですね。
天橋立の近くには船屋で有名な伊根湾もあり、観光スポットが豊富。天橋立からロングライドイベント「TANTANロングライド」のコースにもなっている丹後半島をぐるっと一周する日帰りライドで、豊富な観光スポットを楽しんできました。
宮津から出発!
宮津までの移動は車にしました。鉄道だと微妙に不便なんですよね、宮津。大阪方面から鉄道で宮津まで行く場合は、京都から福知山経由か大阪から篠山口経由で福知山まで行って京都丹後鉄道を利用します。時間にして、だいたい3時間30分ほどかかります。車の場合は京都縦貫道を使えば半分ちょいの時間ですむ上に、費用も若干安い。
そんなわけで、車でトランポしました。
デポ地は道の駅「海の京都 宮津」です。大型の立体駐車場を備えて、5時間まで無料の太っ腹です。デポ地にぴったり。自転車の人は見当たらず、見かけるのは釣り人が多かったです。
丹後半島をぐるっとまわって帰ってきたら、天橋立の近くの日帰り温泉で汗を流して帰ろう、というプラン。さぁ、楽しむぞ。
天橋立を行く!
道の駅から海沿いを北に進んで、さっそく天橋立に到着です。天橋立と言えば「またのぞき」天橋立が天にかかる橋のように見える、ステキな鑑賞方法です。しかし、今回はライドに来ているので違った楽しみ方をしましょう。
日の出を眺めながら、天橋立を自転車で進むわけです。天橋立は舗装路ではなく砂地や砂利道ですが、25Cタイヤならロードバイクでも問題なく走れます。路面よりも観光客に注意が必要なくらいです。今回は早朝に通ったので、人が少なく快適に走れました。
朝日に照らされる釣り人のシルエットがステキ。自転車を降りてしばらく日が昇るのを眺めていました。贅沢な時間の使い方です。幸せ。
日が昇ると、あっという間に明るくなりました。秋晴れの空、楽しいライドになりそうです。
遠くに傘松公園のリフトが見えます。クリートシューズだと、ちょっと楽しめないかな。
雲のカタチがすっかり秋です。気温はガーミンによると10度ほど。冬用ウェアでばっちり決めてきたので、寒さは感じず快適でした。暑かった夏が嘘のようです。
天橋立を渡りきって、対岸に到着です。天橋立の全長は3kmほど、あっという間に渡れてしまいますね。
ロードバイクで駆け抜けるのではなく、ゆっくり進んだり止まったりして景色を満喫しながら通るのが、天橋立のうまい楽しみ方だと思いました。両岸ではレンタサイクルの貸し出しが豊富で、電動アシストの軽快車からクロスバイクまで幅広く揃っているようでした。次はレンタサイクルでのんびりまわるのもよさそうです。
男山ヒルクライム!
天橋立を渡ったら、丹後半島の付け根を北に進んで日本海を目指します。ルートはいろいろな候補がありますが、今回は府道53号線を通って男山をヒルクライムするルートを引きました。
朝もやのかかる山々を眺めながら、快調に飛ばしていきます。早朝で車も少なく快適です。
キレイを通り越して神秘さを感じます。このように普段なかなか見られない景色が見られるのも、自転車旅の魅力の一つです。
府道53号線に入って、男山ヒルクライムの始まりです。ヒルクライムと言っても、獲得標高は200mほどです。登ったり平坦だったりと、登りっぱなしでなく休憩も取れるので問題なし。
黄色い田んぼと朝もやの白、それに青空のコントラストが美しい。山あいならではの光景です。
立ち止まって写真撮影するため、全然先に進みません。デジタル一眼を持ってきてよかった。重いけど。
幻想的な風景ですね。いつまでも眺めていたくなりますが、ペダルを回して先に進みます。
今回引いたルートは、主要道路と思われる国道から一本ずれた道を多用しました。国道は分かりやすいですが交通量が多く気を使います。一本はずすと交通量が激減しますし、ステキな景色が見つかることも多いように思います。
こういう道を初見で選べるのも、旅スキルのひとつなんでしょうか。私はまだまだその境地に至っていませんね。ルートナビなしでポタリングする機会を作ろうかな。
田んぼの中をまっすぐ進んで、いよいよ日本海が見えてきます。
日本海を見ながら進む!
丹後半島の付け根を横切って、日本海にやってきました。ここからはセオリー通り、半島を時計回りに進んでいきます。
急な山肌から、そのまま海に入っていく急峻な海岸線ですね。道は山側を通っているので、さほどアップダウンはなさそうなのが救い。
この辺りの路面はキレイで、道幅も広く走りやすかったです。
日本海の割には穏やかな海面です。
透き通るブルー。ところどころに海水浴場がありました。夏は楽しいんだろうなぁ。
名勝の一つ、屏風岩です。屏風を立てたような特徴的な岩です。
屏風岩は、山陰海岸ジオパークに指定されているんですね。屏風岩の他にも20あまりのスポットが登録されているとのこと。山陰方面にはそれほど訪れたことがないので、機会を作って行ってみたいですね。
屏風岩を越えると、トンネルと橋を通って山間部を進む道が続きます。
時折、開けた場所に出ると漏れなくよい景色が待っています。
透き通るような海と、ゴツゴツした岩の対比が最高。
愛車の撮影も捗るというものです。
丹後半島の北端 経ヶ岬
山あいの道を進んでいくと、ちょっとした分岐にさしかかります。丹後半島の北端「経ヶ岬」への分岐です。時間に余裕があったので、立ち寄ることにしました。
分岐から下って登って1kmほど進むと、経ヶ岬の駐車場に到着です。柱状の割れ目ができた岩が経典を並べたように見えることから「経ヶ岬」と呼ぶそうです。
駐車場から灯台がちょこっとだけ見えました。山頂の展望台まで遊歩道が通っているようですが、クリートシューズだと厳しそう。駐車場からの眺めで満足しておきます。
穏やかな日本海です。冬になればもう少し荒れる日もあるのかも。
蒲入を越えて伊根へ!
経ヶ岬を離れて、再び丹後半島一周ルートに戻ります。丹後半島の東側を南に進んでいきます。
入り組んだ海岸線を下に見ながら、山の中腹を進むことになります。路面は少々荒れ気味なので、気を使います。
その分、景色は抜群です。上から眺めるだけで、とても降りて行けそうにありませんけどね。
ところどころに設置されている、落石よけのトンネルがいい雰囲気でした。
自分が進む先の道が彼方に見えているのがステキ。
展望台があったので、一休み。交通量は少なく、自転車の人も滅多に見かけません。天橋立の人混みとは対照的でした。
ときおり、ボートで釣りをしているらしき人が見えました。道路からのアクセスは難しくても、海からなら行けるんでしょうか。
しばらく進むと、蒲入という集落の近くに展望台がありました。
これまで通ってきた道が一望できます。山肌を這うような道、作るのは大変だったでしょう。先人の努力に感謝です。
展望台は急な階段の上にありました。張り切って愛車を担いで登り、写真撮影。無事に降りられてよかったです。
いい眺め。穏やかな時間が流れます。こういうの、いいなぁ。
途中、国道から外れた海沿いルートを引いていたのですが、残念ながら通行止めでした。臨機応変にルートを修正して先に進みます。こういう現地に合わせた対応も慣れてきました。何事も経験ですね。これからも積極的に挑戦して、経験から学んでいきたい。
もう一つの海沿いルート、新井崎を通るルートは通行できました。よかった。
少し遠回りになりますが、国道では見られない景色がたくさん。
透き通る海、白い雲、青い空。
そして少しヒルクライム。いい感じのサイクリングコースでした。
伊根の船屋
新井崎を越えてしばらく進むと、船屋で有名な伊根に到着です。
まずは、高台にある道の駅「船屋の里伊根」に立ち寄りました。伊根湾を一望できます。1階が海に面している船場、2階が住居という独特の様式、船屋が並んでいます。
船屋はほとんどが個人の所有物ですが、公開されていたりお店になっていたりで立ち入れる船屋もあるそうです。
今回は横を通るだけです。次はゆっくり過ごしてみたいものです。行きたい場所や再び訪れたい場所が増えるばかりで、嬉しい悲鳴です。
船屋を海から楽しめる遊覧船です。大型の遊覧船もあるとのこと。次は乗ってみよう。
道の駅から海沿いまで降りて、伊根浦公園にやってきました。船屋の景色を間近に見ることができます。船屋の中を見られるガイドツアーもあるようです。
上から見るのとは、また違った景色が楽しめます。
船屋は、1階がガレージになっている家と同じなんでしょうね。車の代わりに船がある、と。
伊根の道は狭く、離合が困難な場所も多数ありました。こういう場所を散策するには自転車が最強ですね。eバイクのレンタルがあったので、eバイクで散策するポタリングが楽しそう。
ゆるゆると伊根湾沿いを進んでいきます。
長閑な風景に心が癒やされます。
向こうに大型の遊覧船が見えます。海から眺める船屋も、また格別なんでしょうね。
宮津へ!
伊根湾を抜けた後は、国道178号線を南に進んでスタート地点である宮津を目指します。
国道178号線は、左手に海を見ながら進む快走路でした。
雲が出ているものの、さわやかな秋空で快適です。
交通量もご覧の通り、たまに数台のまとまった車が通るものの、全体的には交通量が少ないと言えるでしょう。
多くの観光客は天橋立にとどまるんでしょうね。伊根まで足を伸ばす方は少ないのかもしれません。
雲海!見てみたいと思いつつも機会に恵まれず、なかなか見られない雲海です。早朝、その場所にいないといけないのが厳しいです。雲海スポットの近くに宿泊するのがよさそう。未明に出発して雲海スポットを目指すのは厳しい。
天橋立にほど近いリゾート群。帰ってきた感がありますね。
カモメが群がる遊覧船と天橋立ビュースポットです。遊覧船ではカモメのえさが販売されていて、えさ目当てのカモメが群がっているわけです。ヒッチコックごっこができるかも!?
見るほどに不思議な場所ですね、天橋立。
海沿いにサイクリングコースが整備されていたので、通ってみました。
自転車マークがペイントされ、サイクリングコースであることを主張しています。
この頃には雲も切れて、見事な秋晴れ。
絶好のサイクリング日和の中、サイクリングコースをのんびりポタリングしてスタート地点まで戻り、無事にライド完了です。
車に自転車を積み込んだら、天橋立に近い日帰り温泉で汗を流して帰路につきました。
おわりに
天橋立と伊根の船屋、有名な観光地を巡る充実したライドでした。気温は10度から20度程度と熱すぎず寒すぎずちょうどよく、さわやかな秋空の下を快走できました。
車でトランポすると、行程や荷物に自由がきくのがよいですね。天気を見極めて行き先を決めたり、多少天気が悪くても別の楽しみ方ができたりと、臨機応変に対応できます。限られた時間を有効に活用するために、車でトランポを積極的に活用していきたいと思います。