身の回りに大容量なモバイルバッテリーや消費電力の多いPCが増えてきたので、PCやスマートフォン・タブレットの充電環境を見直そうと思い、いろいろと調べていました。
手持ちの機器で充電端子を見てみると、MacBook ProがMagSafeの専用コネクタ、iPhoneがLightningコネクタ、あとはUSB Type-CとMicroUSB Type-Bが半々といったところ。MacBook Proは、いずれUSB Type-C対応に買い替えたいと考えています。
いろいろ調べて考えた結果、USB PD対応の大容量な充電アダプタを用意して、USB Type-C – LightningケーブルとUSB Type-C – Micro USB Type-Bケーブルで充電すると、充電能力、ケーブル本数、取り回しのしやすさ、いずれの観点でもよさそうです。特にUSB PD対応のPCなら専用のACアダプタを用意しなくても給電・充電ができるのが画期的です。ACアダプタとUSB充電器を両方用意すると、かさばりますからね。
USB充電の規格を調べて改めて感じたのは、充電の規格が多い、ということです。USB 2.0標準があまりに非力なので、メーカー独自規格が乱立する事情も理解できますが、それにしても多い。これだけ種類が多いと、どの充電規格で充電しているのか分かりません。
そこで、USBの電圧と電流を測定できるUSB電圧・電流チェッカーを購入してみました。
電圧と電流のみを測定する簡易チェッカーからUSBプロトコルを解析できる高機能なテスターまで、USB電圧・電流チェッカーは幅広い製品が存在します。今回は幅広い製品ラインナップしているルートアールさんから、お手頃価格の簡易チェッカーを購入しました。電圧と電流、あとは積算電力量が測定できる基本的な機能を備えた製品です。
まずはUSB Type-Aから。
USB Type-Aのプラグとレセプタクルを備え、充電アダプタとケーブルの間に挟み込んで使います。電圧は3Vから15V、電流は3.4Aまで測定できます。積算電流は電源を切っても保持されるので、途中で電源断が想定されるケース、例えば太陽電池パネルの積算電力を測定したいという場合でも測定可能です。
さっそく、手近なAnkerのモバイルバッテリーに接続してみました。充電機器を接続しなくても、USB端子に5Vの電圧がかかっていることが分かります。
Lightningkケーブルを使ってiPhoneを接続しました。5V/1.3Aで充電している様子が分かります。Ankerの独自規格PowerIQが働いて、USB標準の0.5Aより大きな電流が流れています。高速充電をうたっているのは目にしていましたが、こうやって測定値で見ると実感があります。
USB Type-Cは同じくルートアールさんのこちらの製品を購入しました。
電圧は4Vから20V、電流は50mAから5Aまで測定できます。USB PD規格の上限100Wまで測定できるということですね。電流は両方向対応なので、充電アダプタ側、充電機器側、いずれに接続しても電圧・電流を測定できます。
同じくAnkerのモバイルバッテリーを使って、USB PD対応のモバイルバッテリーに給電してみました。USB 2.0規格の標準である5V/0.5Aで給電していることが分かります。
USB PD 30W対応のUSB充電アダプタを用意して給電してみました。USB PDが動作して、20Vの電圧がかかっている様子が分かります。30Wだと、充電速度も段違いですね。このモバイルバッテリーは20000mAhの大容量なので、5V/0.5Aで充電していると丸一日あっても満充電になりません。大容量のモバイルバッテリーを実際に運用するには高速充電が必須だと、改めて実感できました。
普段は気にとめず目にも見えないUSBの電圧・電流が測定できると、面白いですね。これ以外でも家中のUSB充電機器を取っ替え引っ替えして充電時の電圧・電流を測定して楽しんでしまいました。今後USB PD対応の充電器や機器を購入した際も、期待通りの高速充電ができているか確認してみようと思います。