ヘッドホンを使えるようにしたりイヤホンを購入したりしていると、プレーヤーの方も気になってきました。今のプレーヤーはソニーのウォークマンNW-A105です。小型軽量ながらもAndroid 9.0搭載でストリーミングサービスにも対応、デジタルアンプS-Master HXやアップスケーリング技術DSEE Ultimate搭載で高音質、LDAC対応でワイヤレスヘッドホンでも高音質と隙のない仕様で満足しています。
ただ、ヘッドホン出力が3.5mmアンバランスのみで、35mW+35mW / 16Ωとこじんまりした出力です。手持ちのヘッドホン/イヤホンは低インピーダンスのものばかりで問題はないのですが、バランス接続はやってみたい。あと、何も考えずに内蔵ストレージ容量16GBのNW-A105を購入したのですが、アプリをいくつかインストールすると容量不足になって警告がうっとおしいです。microSDにアプリを移動する手もありますが、うまく動作しないアプリもあるのでアプリはなるべく内蔵ストレージで使いたい。
それなら、内蔵ストレージ容量が64GBでヘッドホン出力が強化されている上位機種のNW-ZX507かとも思うものの、NW-507ZXのSoCはNW-A100と共通で性能や電池の持ちも似たようなものとのこと。性能はプレーヤーとしては我慢できなくもないですが、電池の持ちには不満が残ります。電池の持ちが悪いのは待機時の消費電力が高いことが原因で、自動電源オフ機能を使えば当然ながら改善しますが、使いたい時には電源オフからの起動になって時間がかかり、音楽体験を大きく損なうんですよね。
他のプレーヤーも見てみたものの、ストリーミング対応のプレーヤーはAndroidを動作させるためのSoCにリソースを費やす必要があってコストパフォーマンスがいまひとつです。音質面でも音源のよさをストレートに引き出す設計思想が中心で、プレーヤー専用機ならではの味付けは薄そうです。10万円を超えるプレミアムモデルなら別ですが、そこまでの金額をプレーヤーに投資する気力はなく、選択肢外です。
ならば最近選択肢が増えてきたバスパワーで動作するスティック型のUSB DACをスマートフォンに接続するのが、音質・コストパフォーマンスの両面で有利そうです。実際、FiiOは10万円以下のミドルレンジのプレーヤーはUSB DAC + スマートフォンに比べて競争力がないと判断したのか、M11以下のラインナップが見事に空白のままです。ミドルレンジのプレーヤーを壊滅させたスティック型USB DACの威力が楽しみです。
いろいろ見比べて、デザインがしっくりきて性能や仕様も満足できそうなShanlingのUA2を購入しました。
Shanling UA2は、バランス接続対応のポータブルDACアンプケーブルです。DACチップには高音質なオーディオ製品にも使われるES9038Q2M、オペアンプにはRT6863を採用し、768kHz/32bit|DSD512 対応で195mW / 32Ωの大出力を実現しています。スティック型の本体にUSB Type-Cコネクタを備えていて、ケーブルで機器と接続することで音声を出力できるわけです。
箱の手前側にあるフラップを開くと、本体とご対面です。USB Type-Aコネクタと比べると、小ささが分かると思います。重さも12.6gと軽く、ヘッドホンケーブルの一部といってもよいくらいの軽さです。
本体の他には、USB Type-C to Type-Cケーブル、USB Type-A to Type-C 変換コネクタ、ハイレゾステッカーが付属します。発売直後は数量限定でUSB Type-C to Lightningケーブルが付属していたらしいのですが、すでに品切れのようです。残念。
本体はUSBメモリー程度の大きさです。
ヘッドホン端子は3.5mmのアンバランスと2.5mmのバランスの2種類があります。2つのヘッドホン端子の間にはLEDがあり、ビットレートとサンプリング周波数により色が変わります。
実は、このLEDが目立たないのが決め手でUA2を選びました。他のスティック型USB DACでも似たようなLEDがあるのですが、本体側面に目立つ形で配置されている製品もありました。LEDが目立つと気になって音に集中できないので、LEDの目立たないUA2は好ましいデザインだと感じて選んだわけです。
ヘッドホン端子の反対側には、USB Type-Cポートがあります。
さっそくiPhoneに接続してみました。USB Type-C to Lightningケーブルがなかったので、LightningカメラアダプタとUSB Type-A to Type-Cケーブルを使った暫定接続です。イヤホンはKylin HE01を使ってみましたが、太めでウォームな雰囲気の出音ですね。NW-A105のソースダイレクトをオンにした場合は透明でスッキリした寒色系の音でしたが、UA2は暖色系の音といった雰囲気です。これならEQやClear Audioを使わず、そのままの音で楽しめそうです。
出荷時はゲインがハイゲインになっていてHE01だと音量調節が難しかったので、NW-A105にEddict PlayerをインストールしてUA2の設定を変更しました。とりあえずゲインをローにすれば音量調節が扱いやすくなります。鳴らしやすいヘッドホンやイヤホンを使う場合は、ゲインに加えてボリュームも抑えてしまってもよさそうです。私はボリュームを48に設定して使うことにしました。
音を楽しむには、スマートフォンもいいものですね。特にストリーミングサービスの場合は、スマートフォンの方が処理能力に余裕があるので曲を切り替えたり探したりの操作がサクサクできてストレスフリーです。スティック型のUSB DACを入手して、スマートフォンでも高音質な音を楽しめるようになりました。専用プレーヤーとスマートフォンをいろいろ使ってみて、使い分けを模索してみようと思います。