自分史上初のディスクブレーキロードバイクである「GIANT TCR ADVANCED PRO 1 DISC RIVAL ETAP」2022年モデルを購入してから、350kmほど乗りました。
乗ったコースはいつものヒルクライムコースで距離は50kmほどです。100kmを超えるようなライドはまだできていませんが、ここでいったんの感想を残しておこうと思います。比較対象は以前乗っていたTCR ADVANCED 2です。
乗り心地
以前よりも乗り心地はよくなりました。ADVANCEDグレードとPROグレードの違いはコラムがODかOD2かの違いのみで、フレーム自体は同じものです。世代が一世代違いますが、フレーム剛性にも大きな違いはないようで、剛性感は似たような感覚です。乗り心地のよさは、足回りの影響ですね。アルミリムにチューブドのクリンチャータイヤから、カーボンのフックレスリムにチューブレスと、足回りが劇的に変わったことが乗り心地のよさにつながっているようです。
漕ぎ出し、平坦
漕ぎ出しは軽いというか反応がよいです。ホイールのラチェットが30Tの面ラチェットでかかりがよいことと、カーボンリムが軽いことが影響しているのでしょう。加速してからの巡行も安定しています。こちらもリムハイト42mmのセミディープリムを持ったSLR1 42の威力でしょう。セミディープのカーボンホイールの効果がまざまざと実感できました。エアロ性能が上がったフレームと合わせて、向かい風でもすんなりと進んでいける感覚です。
セミディープということで横風の影響が心配でしたが、それほどではありませんでした。確かにハンドルを取られるような感覚はありますが、コントロールできないほどではありません。自分の体重も割と重い部類ですしね。海沿いの強風は未体験なので、淡路島あたりで体験してみたい。
ダンシング時のバイクの振りは以前より軽く感じました。バイク自体の重さは重くなっているはずなので不思議な感覚でした。重量バランスが変わって重心が低くなったんですかね。
登り
バイク自体の重さは以前より重くなっているので、登りはつらいと思いきや、意外に差を感じません。急斜面では確かに重いと感じますが、それ以外に特に問題は感じません。普通に走っている分には重さは関係ない、ということでしょう。
とはいえ、バイクを持ち上げると重さは感じます。輪行の際にはバイクを持ち運ぶことが多いので、重量差が地味に効いてきそうです。
下り
下りの挙動は安定していて、狙ったラインを正確にトレースできますし、よく曲がります。OD2でヘッド周りの剛性があがったためか、ハンドリングで不安な動きは一切ありません。路面が多少荒れたとしても跳ねるような感覚はなく地面に吸い付くようにグリップしています。チューブレスでタイヤの空気圧が低くなったことt、タイヤの性能が高いことが寄与しているのだと思います。
ディスクブレーキの効き具合はマイルドでちょうどよい強さです。なにより油圧動作のおかげで少ない力で適量のブレーキングが得られて、スピードコントロールも楽です。
変速
SRAMのコンポーネントは初めてでしたが、11速のUltegra Di2と遜色ない変速性能だと思います。フラットトップチェーンのおかげか、チェーンの駆動が滑らかで気持ちいいです。
レバーはUltegra Di2に比べると太いです。ForceやRedに比べてRivalのブラケット周長は5mm短いのですが、それでも太いです。私は手が小さめなので、Ultegra Di2のレバーの方が握りやすいですね。
フロント変速は速度面では11速のUltegra Di2の方が優れているように感じます。滑らかさは同程度ですね。歯数差が少ない分SRAMの方が有利のはずなのですが、さすがは世界のシマノの技術力といったところでしょうか。12速ではさらにフロント変速が高性能になっているらしいので、一度体験してみたい。
リア変速は同程度ですね。シマノで言うシンクロシフト、セミシンクロシフトも可能で、使い勝手はほぼ変わりません。
ただ、フロント変速が左右同時押しでトグルスイッチ、つまりインナーならアウターに、アウターならインナーに入れ替わる動作なのが戸惑いました。フロント変速が滑らかなので、フロントがインナーなのかアウターなのか忘れていることがあるのです。信号停止時にインナーに入れるつもりでアウターに入れてしまったことが何回かありました。Di2だとフロント変速のインナーとアウターに別々のボタンが割り当てられるので、インナーに入れるつもりでアウターに入ることはないんですよね。
また、12速になった上にフロントの歯数がずいぶんと変わったので、ギア選択に戸惑います。11速 Ultegraでは、これくらいの斜度ならこれくらいという定番のギア選択があったのですが、12速 AXSに合わせて新たにギア選択の感覚を養う必要がありそうです。
慣れの問題だと思うので、しばらく使い込んでみるつもりです。
あとは、シーケンシャルシフトでシフトアップ・ダウンしたときに、フロントを変速するタイミングを設定できないように見えます。Di2ではアプリで設定できるのですが、SRAM AXSアプリでは設定が見つけられず。
カスタムするとしたら
カスタムするとキリがないので、完成車の状態で使うつもりです。カスタムするとしたら、軽量化が狙いたいですね。強化するならハンドル、ステム、サドル、コンポーネントですが、そこまでいくとフレームもADVANCED SLグレードにしたくなってきて、もう1台買うのと大差ありません。やはり完成車のまま使うべき。
とはいえ、消耗品は少し高性能で軽量なものに置き換えてもいいと思っています。具体的にはチェーンとタイヤですね。タイヤはGAVIA COURCE 0にすれば120g、CADEX RACEにすると210gの軽量化になるので、交換時期になったら悩もうと思っています。
カセットスプロケットは282gと重いので、RedやForceのものに交換したくなります。しかしRedやForceには10-30Tの設定がないのでRedやForceのカセットスプロケットを使うわけにもいかず、価格面でも躊躇します。レースに出るわけでもなし、やはり完成車の状態で使うのが一番だと思います。
総評
フレームのエアロ性能が高くなり、足回りの技術が刷新されて、ガラリと変わったバイクです。一方でTCRらしさは損なわれておらず、今までと変わらない感覚で乗れるまとまりのよさもあります。総じて、いいバイクです。このバイクと一緒に、いろいろな場所を走って楽しみたいです。