インドアサイクリングの機材を入れ替えました。スマートトレーナーやサイクルコンピュータ、それにペダルまで幅広く手掛ける総合自転車アクセサリーメーカーWahooのフラッグシップモデル「KICKR」です。
これまでは、ELITE(エリート)社のダイレクトドライブ型トレーナー「Turbo Muin Smart B+」を使っていました。パワー計測はクランク型パワーメーターで行っていたため、トレーナーにパワー計測の性能は求めておらず、電源不要でシンプルなTurbo Muinは用途にぴったりでした。
しかしながら、センサーであるMISURO B+の電池交換が面倒なこと、設置場所が変わって電源が取りやすくなったことから、スマートトレーナーに買い換えようかと長らく検討していたところ、ついに思い切って購入したわけです。Wahoo KICKRは何度か実際に試す機会があり、負荷追従の性能や実動作時の音が確認できていたこと、それにヒルクライムを再現できるKICKR CLIMBを魅力的に感じてWahooを選びました。
KICKRはWahooのスマートトレーナーの中でも最上位に位置づけられるモデルです。スマートトレーナーとはスマートフォンやサイクルコンピュータと接続して負荷の調整ができるトレーナーです。スマートでないトレーナーはペダルの回転数に比例して負荷が重くなるのみですが、スマートトレーナーなら任意の回転数で任意の負荷がかけられるため、Zwiftなどのバーチャルサイクリングアプリでの走行感がより現実に近くなります。
トレーニングの際も、スマートでないトレーナーの場合はギア比とケイデンスを調整して狙った負荷に持っていく必要がありますが、スマートトレーナーならERGモードと言うギア比やケイデンスによらず負荷を一定に調整してくれるモードがあるため、ペダリングに集中できます。
Wahooのスマートトレーナーには、自転車の後輪を外してセットするダイレクトドライブ型と後輪をローラーに押し付けて負荷をかけるローラー型があります。設置スペースや音の関係で、今回もダイレクトドライブ型を選びました。
ダイレクトドライブ型にはKICKRとKICKR COREの2種類がラインナップされています。違いは最大負荷量、パワー計測の精度、それにパワー校正が自動なのか手動なのか、です。最大負荷は私にとってはどちらも十分でしたが、パワー校正が自動で便利そうだったことと、KICKRのほうが設置スペースが好ましかったことから、KICKRを選びました。
Wahooを選んだ理由の一つが、このKICKR CLIMBです。ダイレクトドライブ型のスマートローラーでのインドアサイクリングは、自転車が固定されるが故に同じ姿勢が続きます。そうなると、疲れや痛みが出たり、一部の筋肉にしか刺激や負荷が入らなかったりして、好ましくありません。
このKICKR CLIMBは、前輪の代わりに取り付けることで前輪を上げ下げし、20%〜-10%の勾配を再現します。Zwiftなどのバーチャルサイクリング体験がより現実感を増しますし、バイク上で自然に体勢を変えることができ、上り坂に必要な筋肉を鍛え、インドアにいながらペダリング技術を改善することができます。
いいことづくめのスマートトレーナーですが、難点は大きく設置スペースをとることですね。Wahoo KICKRは、脚部が折りたためるので少しはマシですし、左右の脚の長さを変えることで設置スペースを省スペースにしています。重量は如何ともし難いですね。なんと21kgもあります。走行中の慣性を再現するフライホイールが7.25kgもあるので、仕方なし。重量も性能の一部ですからね。
KICKRには最初からシマノ11速に互換性があるカセットスプロケットが付属しています。私はTurbo Muinで使っていたカセットスプロケットを流用するため、使用前に交換しました。シマノ以外のフリーハブにも交換できますが、入手性やコストパフォーマンスを考えるとシマノ11速が手堅いですね。リムのTCRがシマノ11速で、当面は11速のまま使い続けるつもりです。
さっそく設置してみました。前輪がない分、より省スペースになったのが嬉しい。
KICKR CLIMBは、電源ケーブルが前方に出ているためケーブルの取り回しが今ひとつ難しい。ACアダプタが巨大なのも難点です。自転車を持ち上げるだけのエネルギーが必要なので、ACアダプタが巨大化するのも分かるのですが、それにしてもどうにかならなかったのかと思うほどの大きさです。
手前に見える巨大な箱が、KICKR CLIMBのACアダプタです。電源の取り回しは綺麗に整理したいところ。KICKRは設置スペースもそこそこで電源の取り回しも自然、ACアダプタもほどほどの大きさで、さほど苦労せずに収められました。
Garmin Edge 1040とペアリングして少し乗ったくらいですが、音が静かで素晴らしいです。チェーンとカセットスプロケットが出す稼働音の方がうるさく、トレーナーの動作音はほとんど気になりません。負荷の調整や前輪の上げ下げもスムーズで、これはバーチャルサイクリングが楽しくなりそう。Zwiftは以前少しだけ挑戦して今は休止中ですが、もう一度始めてみるのもよいかもしれない、と思えてきました。今はZwift以外にもバーチャルサイクリングやトレーニングのアプリ/サービスがたくさん出ているので、いろいろと試してみたいと思います。