はじめに
秋の東北ライド、前回は十和田湖をスタートして奥入瀬を往復し、八戸に辿り着くまでを書きました。
八戸からは、輪行で次のスタート地点に移動しました。次なるスタート地点は仙台です。お目当ては、宮城県と山形県の間に位置する蔵王エコーラインです。蔵王エコーラインは、雪壁、新緑、そして紅葉と風光明媚な山岳道路という触れ込みで、ずっと気になっていました。今回はちょうど青森からの帰り道だったので、行程を追加して寄り道したわけです。
仙台には何度か訪れたことがありますが、自転車で走るのは初めてです。今日も楽しむぞ!
仙台の市街地を抜けて秋保温泉へ!
仙台での宿泊は駅前のビジネスホテルを選びました。輪行状態のままでチェックインしたかったからです。ライド終了の気分から、再び輪行解除して走り出すのは難しいですからね。
宿泊が駅前ということで、スタート直後は市街地を走ります。
行き交う車に気をつけつつ、先に進んでいきます。
しばらく進むと市街地を抜けて、緑の中を走ることになります。
緑の中を進むと、秋保(あきう)温泉に到着です。秋保温泉は皇室の御料温泉の一つとして位置づけられ、別所温泉(信濃御湯)、野沢温泉(犬養御湯)と共に「日本三御湯」と称されているとのこと。1500年以上前から伝わる歴史ある温泉だそうです。
残念ながら今回は通り過ぎるのみ。宿泊したり日帰り入浴したりしてみたいものですが、仙台から近すぎるので目的地にするには一工夫が必要ですね。
秋保温泉を過ぎて、再び森の中を進みます。アップダウンは割と頻繁。
登ったり下ったりしながら進んでいきます。
しばらく進むと、平坦な道に出てきました。道の両脇には金色の稲穂。よい時期にライドできて幸せ。
釜房湖にて
さらに進んで釜房ダムに到着です。
釜房ダムは洪水調節と農業・工業用水の確保を目的に1940年に計画され、戦争のための中断をはさんで1970年に完成したダムです。
観光スポットとしても整備されていて、ダム湖畔から見る蔵王連峰の眺めが素晴らしいとのこと。これから進む先が見えるのは素敵ですね。
釜房ダムが作るダム湖は、中間に半島があって大きく二つに分かれています。半島の先端にかかる橋を渡って、先に進むわけです。
湖面は穏やかで、見事なリフレクションが見られました。
湖畔には桜並木の遊歩道が整備されているようです。
春先、桜の季節に訪れてみたいものです。
橋を渡って先に進みましょう。
輪行を挟みましたが、愛車TCRは絶好調です。旅の途中に輪行を入れると、移動範囲が広がって自由度が上がりますね。これからも積極的に活用しようと思います。
青根温泉へ!
釜房湖を後にして、遠くに見える蔵王を目指します。蔵王の手前には青根温泉という温泉地があって、ひとまずの目的地がそちらです。
青根温泉は山あいにあって登りますが、しばらくは平坦路です。
整備された公園があったり田んぼがあったりと、バリエーション豊かな景観が楽しめる快走路でした。
途中には見渡す限りの田んぼがあって、気分がアガります。
これだけ景色が広いと、レンズの方も広角が欲しくなりますね。レンズを何本も持つわけにはいかないので、広角はiPhoneにお任せかな。
しばらく進んで、青根温泉までのヒルクライムの始まりです。およそ300m弱のクライムです。
ペダルをくるくる回しながら登っていきます。蔵王エコーラインにたどり着く前ですが、獲得標高がすでに1000m近くになっているような。引くルートを間違えたかな。
どれだけ登りがあっても、ペダルを回せば前に進むわけでして、ピークにある青根温泉に到着しました。
登ってきた甲斐があって、眺望が楽しめます。
先ほど通ってきた釜房湖も見えるとのこと。
宿泊施設の他に、日帰り温泉の施設もあります。自販機やトイレもあって、蔵王エコーライン直前の休憩ポイントにぴったり。
看板には蔵王エコーラインが登場しています。
ひと風呂浴びていきたいところですが、先があるので我慢。
しばし眺望を楽しんでから、先に進みます。
なんと足湯もありました。最初に見つけていれば挑戦したのですが、すでに走る気まんまんになっていたのでスルー。
蔵王エコーラインを進む!
青根温泉を越えてしばらく進むと、いよいよ蔵王エコーラインの始まりです。
蔵王エコーラインの始まりには、蔵王大権現の大鳥居があります。
松川の流れを越えて蔵王エコーラインに入っていきます。
蔵王エコーラインのピークは1600mで、獲得標高1300mほどのヒルクライムです。序盤は森の中を登っていきます。日光が遮られて過ごしやすい体感温度でした。ありがたい。
補給場所はありませんが、ところどころに展望台があって休憩のタイミングにはぴったりです。
こちらは不動滝展望台にある不動尊。今回は展望所までは行きませんでしたが、次回は余裕を作って滝見に興じようと思います。
さらに登っていくと、森林限界を超えて荒涼とした景色が広がってきます。ところどころにトイレがあるので安心。このトイレは噴火からの避難所も兼ねているとのこと。蔵王が活火山であることを思い出させてくれます。
さらに登っていくと、見晴らしの良い場所が現れます。
大黒天展望台です。
駐車場が確保されていて、車の方も展望台を楽しめるようになっています。ここから進んで山頂に至ることも可能のようでした。私は自転車で進みますけどね。
森林限界を超えたと言っても低木はたくさんあります。この辺が全部紅葉するんですかね。絶景でしょうね。今回は紅葉には少し早かったです。
さらに進んでピークに到着です。ここから先、蔵王ハイラインは自動車専用で、自転車や徒歩では通行不可です。
蔵王ヒルクライムの日だけは自転車で通行できるようです。
今日はなんてことのない普通の日ですから、自転車での通行は諦めるより他ありません。残念。
ピークからの景色を楽しみながら、ゆるゆると進んでいきます。
眼下に広がるのは、これから進む山形県の町並みですかね。
この日は午後から曇りがちで晴天とは行きませんでした。雨は降らなかったのでヨシとしましょう。
刈田リフトで御釜へ!
蔵王ハイラインは自転車で通れませんが、リフトを使えば蔵王ハイラインを通らずとも山頂に行くことができます。
せっかくの機会ですから、リフトに乗って山頂に行ってみることにしました。片道500円、往復で800円です。迷うことなく往復を選択。
リフトに乗って山頂へ。楽ちんですねー。
リフトから降りて少し歩くと、目の前に御釜が広がります。いやー、絶景ですね。
荒涼とした景色が広がっています。活火山の山頂らしい光景です。
しばらくすると、ガスが押し寄せてきました。御釜付近も真っ白だったはず。ガスがかからないうちに見ることができて幸運でした。
滞在もそこそこに切り上げて、リフトで下に戻ることにします。
下りのリフトは行きとは違った景色が見られます。
これから進む道も一望できました。
リフト乗り場には売店が併設されていて、自動販売機もあります。
運転時間は日によって異なる場合があるので、帰りのリフトの時刻は要確認。御釜が見られて素晴らしい体験ができました。次は晴れの日に来てみたいものです。
かみのやま温泉へ!
この日のゴールは、蔵王エコーラインを抜けた先、山形はかみのやま温泉に設定しています。かみのやま温泉まではずっと下りで楽にすすめますし、山形新幹線のかみのやま温泉駅があって輪行にもぴったりなのです。
ピークから少し進むと、県境を越えて山形県に入ります。
県境からかみのやま温泉までは、ずっと下りです。曇り空で気温も低く、ダウンヒルで身体が冷え切らないように注意しながら下っていきます。
途中、横道にそれたグラベルの先にスキー場のレストランがあったので寄り道しました。お昼ごはんを食べ損なっていたので。
温まる食べ物が欲しかったのですが、残念ながらカレーや麺類は扱っておらず、ピザのみの販売でした。ピザは美味しかったです。
いかにもスキー場といった趣。オフシーズンで人は少なく、レストランは私一人で貸切状態でした。
スノーシーズンに来てみるのも面白そう。次のシーズンには雪遊びに挑戦してみようかな。
かみのやま温泉にて
しばらくダウンヒルして、無事にかみのやま温泉に到着しました。新幹線の時間には多少の余裕があったので、温泉で汗を流していくことにしました。
ホテルの日帰り入浴はすでに締め切られていたので、公衆浴場を使わせてもらうことにしました。
歴史を感じさせる趣深い外観です。
洗髪が別料金なのが珍しい。私は当然、洗髪ありです。タオルの販売やシャンプーの貸し出しもあるので、手ぶらで来ても大丈夫。
こちらの公衆浴場は、熱めと普通の2種類の浴槽がありました。かみのやま温泉は熱めのお湯が特徴とのことですが、熱すぎて入れなかったので普通の温度の浴槽はありがたかったです。草津温泉を思い出しますね。
歴史の重みを感じながら、ライドの汗を流しました。ライド完了後には、やっぱり温泉ですね。
かみのやま温泉駅まで移動して輪行の準備をします。
山形新幹線で帰路につきました。山形新幹線は初めてでしたが、座席後ろのスペースは狭めで輪行には少々工夫と配慮が必要でした。東京まで乗り換えなしで行けるのは輪行向きですね。
おわりに
岩手、秋田、青森、宮城、山形と、東北の5県をまとめて周る充実の自転車旅でした。各地の名所を押さえて、充実したライドになりました。特に、旅の途中で輪行を挟んだことで行動範囲が広がり、いろいろな場所を周ることができたのがよかったです。
東北地方はまだまだ行ったことがない場所がたくさんあります。今回は山だったので、次回は海をテーマに組み立ててみたいですね。