ちょっとした理由でNetflixを契約したので、以前から気になっていたアニメを一気に視聴してしまいました。
バイオテクノロジーが発達した近未来の日本を舞台にしたSFです。
主人公の橘アイコは15歳、2年前の大事故で家族を失い病院内の学校に通っています。夏休み直前に転校してきた男の子とぶつかって〜、とよくあるボーイミーツガールかと思えば、急転直下の展開で大事故と自分自身に秘められた謎を探る潜入行に巻き込まれていきます。
ミステリー調の謎解きだと思っていたら、最初は巻き込まれて状況に流されるまま、もう一人の主人公である神崎雄哉やチームの仲間達に守られるだけだったアイコが、自分にできることはないかと主体的に状況に関わるようになり、ついには自らの秘密を受け入れて乗り越える成長物語でした。最初は導く側だった神崎雄哉が、最後にはアイコに導かれる側になるという転換が、アイコの成長に合わせてダイナミックに演出されていたのも心に刺さりました。
脇を固めるキャラクターも魅力たっぷりです。主人公を護衛するチームの仲間達は、ダイバーと呼ばれる危険な稼業についています。それぞれにダイバーとなった理由があり、物語に深みを添えています。キーデバイスたる「人工生体」の開発者たちもいい味を出していますね。
また、潜入先は黒部峡谷の奥にある研究所という設定で、黒部周辺の有名スポットがこれでもか、と搭乗するのも魅力です。登山スタイルで峡谷やダムを散策する描写もあって、思わず黒部に行きたくなってしまいます。
高速アクションシーンも丁寧に描写されていて、手に汗握るドキドキに没入することができました。最初はTVシリーズとして企画されたそうですが、途中から配信に変更されたとか。TVシリーズよりは粘って制作できたことと、最終話まで制作の見通しが立ってからオープニングやエンディングに手を入れることができたとのこと。後から見返すと本編とのつながりが理解できて、ニヤリとできます。
Netflixでの視聴体験もさすがの成熟度で、ストレスなく連続視聴できました。テレビに実装されたNetflixアプリで視聴したのですが、エンディングを問答無用で飛ばして次の話数を再生してくれるんです。連続視聴でストレスがなくなるのはよいのですが、たまにはエンディングまで見たいこともあるので、動作を選べるとよかったかな。他のデバイスではイントロをスキップするかどうかのボタンが目立たないように表示されたりするので、アプリの実装しだいなのかも。
NetflixではTVオンエアシリーズから過去作品、それに本作のような独占配信やオリジナル作品もたくさん視聴できます。イマドキのWebサービスらしい体験を実感する意味でも、他の作品も視聴してみようと思います。