ここ最近、放送を楽しみに待っているアニメ作品がこちら「Vivy -Fluorite Eye’s Song-」です。
史上初の自律人型AIであるヴィヴィ。普段はテーマパーク”ニーアランド”のAIキャストとして活動し、日々歌うためにステージに立っていますが、人気はいまひとつ。そんな彼女の前に「マツモト」と名乗るAIが突然現れます。マツモトは、自らを100年後の未来から来たAIだと自己紹介して、自分の使命が「100年後に起こるAIと人間との戦争を止めることだ」と明かします。AIの歌姫ヴィヴィと未来から来たAIマツモトが歩んだ100年の旅路とは?というお話です。
100年の旅のうち、ターニングポイントとなる時代をピックアップして2話から3話で構成していて、長い時間の物語をテンポよく楽しめます。時間遡行ものらしく、非AIの登場人物が時を経た様子が、歳を取らないAIに対比して描かれているのが心憎い演出でした。
AIと時間遡行という、SFにとっても現代作品にとっても使い尽くされたテーマを取り上げつつも、緻密な作画と派手なアクション、それに人の心の機微に触れる繊細な描写があいまって、感動しつつも楽しめる良作に仕上がっています。マツモトの憎めないキャラクターもステキですね。とある場面でヴィヴィを評して言った「ステゴロ暴力AI」は、一般的なAIのイメージとはかけ離れつつも、ヴィヴィの活躍を端的に表すパワーワードだと思います。
物語はいよいよクライマックスを迎え、最終話の放送を残すのみ。これだけの作品が13話という短さで終わってしまうのは寂しいですが、13話だからこそのスピードと密度とも言えます。これほど次回放送が楽しみに思えた作品は久しぶりですね。ヴィヴィとマツモトの100年の旅がどのような結末を迎えるのか、最終話を楽しみに待ちたいと思います。
Vivy -Fluorite Eye’s Song- 1(完全生産限定版) [Blu-ray]